概要
ウダムプール・シュリーナガル・バラムーラ鉄道リンク（USBRL）プロジェクトは、カシミール地方とインド全土を全天候型交通網で結ぶ国家的重要性を帯びています。現在この目的に使用されている道路網は、特に冬季に頻繁に混乱するため、この鉄道リンクはこの地域にとって待望のプロジェクトです。本ケーススタディでは、プロジェクト全体に含まれる24の橋梁のうち、橋梁39と橋梁43の2つの監視ソリューションについて説明します。
橋39
橋梁39は、全長約490メートル（1,607.6フィート）に及ぶ、高く先細りの長方形の中空橋脚を持つ、工学上の驚異です。橋脚の間隔は両端で53.15メートル（174.38フィート）、内側の5つの橋脚の間隔はそれぞれ64メートル（209.97フィート）です。この橋の上には複線式のレアシ駅構内があります。橋の上部構造は連続合成鋼桁です。
橋43
橋梁43は全長777メートル（2,549.2フィート）で、支間は35メートル（114.83フィート）、53メートル（173.88フィート）、64メートル（209.97フィート）支間10個、そして49メートル（160.76フィート）です。この橋には複線サラル駅構内があります。橋の上部構造も連続合成鋼桁です。橋長497メートル（1,637フィート）の直線部と287メートル（941.6フィート）の曲線部があります。
橋39と43
構造ヘルスモニタリング（SHM）および保守管理システム（MMS）の性能仕様は、コンカン鉄道株式会社（KRCL）のリファレンスに基づいています。SHMとMMSは、KRCLのSHMおよびMMSリファレンス設計の機能要件を維持しつつ、以下の9つの機能強化が行われています。
- 橋脚セグメント内の接着された内部ポストテンション（U字型垂直）緊張材の直接監視（応力とひずみ）
- デッキセグメント内の単純支持I桁の直接監視（応力とひずみ）
- 列車運行制御のための風データを用いた環境パラメータの直接監視
- 加速度計を使用して、高速衝撃や地震活動による橋梁への影響を監視します。
- 橋脚の横桁の監視
- たわみ導出のための中間スパンでの強化されたひずみ監視
Campbell ScientificのSHMシステムは、KRCLリファレンスデザインの長期的な動的状態と健全性を監視します。多機能計測制御ユニットであるCR6は、橋梁監視に使用されるバイブレーティングワイヤ型センサーの中核となるデータ収集ユニット（DAQ）として使用されます。DAQは、バイブレーティングワイヤひずみゲージ、バイブレーティングワイヤ型ロードセル、温度センサー、3Dサーボ型加速度計の信号状態を収集・検出します。
SHMシステムは、CR6ユニット4台、CR1000Xユニット2台、CR800ユニット2台、VOLT116ユニット6台、そしてAM16/32B拡張周辺機器8台で構成され、合計500個以上のセンサーを計測しています。これらのDAQからのデータは、光ファイバーを介して共通制御室に伝送されています。このセンサー、データ収集、そしてデータ伝送の組み合わせは、橋梁の健全性と耐久性を確保し、必要なメンテナンスを行うための意思決定に役立ちます。
SHMデータの大部分には、200個以上のバイブレーティングワイヤセンサーによる構造ひずみとロードセルの測定データが含まれています。これらのセンサーは、Campbell Scientific CR6によって測定され、特許取得済みのVSPECT® 技術を用いてノイズのない同時データを提供します。
結論
USBRLプロジェクトは、カシミールとインド全土を結ぶ信頼性の高い全天候型輸送リンクを提供する、革新的なインフラ整備プロジェクトです。天候に左右される道路による頻繁な混乱を解消します。39番橋や43番橋といった主要橋梁にCampbell Scientific社の先進的なSHMシステムを導入することで、この重要な鉄道回廊の長期的な安全性、安定性、機能性を確保する上で極めて重要な役割を果たします。SHMシステムは、荷重、歪み、振動、環境要因、潜在的な構造的弱点を継続的に監視することで、予防的な保守と新たなリスクへの迅速な対応を可能にし、ダウンタイムを最小限に抑え、運用の信頼性を高めます。プロジェクトの進展に伴い、これらのインテリジェントな監視システムを他の橋梁にも統合することで、鉄道網全体のレジリエンスを強化し、将来にわたって途切れることのない接続性を維持していきます。